リーディングの具体的トレーニング〜精読と多読
リーディングを攻略するための具体的なトレーニングとして、「精読」と「多読」を紹介します。
私の見解では「精読」:「多読」=「2」 :「8」程度の配分で始めるのがいいかと思います。
簡単にこのHPでいう「精読」と「多読」を定義すると、
「精読」は、英語を完全に理解(語彙、文法面で)しながら読んでいく方法
「多読」は、分からないところがあってもどんどん飛ばして読み進めていく方法
です。精読の場合は、分からない単語があれば辞書を引きますが、多読の場合、基本的に辞書を用いません。
主に精読は音読と併用してトレーニングを進めます。
精読
「精読」とは、英文を語彙、文法の観点から完全に理解していくことです。この時日本語をつかってしまってもかまいません。音声付きの教材を用意されるといいでしょう。
まずは、辞書や日本語訳に頼ってもいいので、完全に理解して読んでいきます。音声で大体1、2分の長さが適当でしょう。
そのあとで音声に続いて「音読」をしていきます。ひとつにつき20回から30回程度音読しましょう。
最初に日本語で理解してますが、音読しているうちに、日本語での理解が抜け落ちて、英語のまま理解できるようになるでしょう。
音読のいいところは返り読みを防止して、さらに英語で声を出しているため、頭の中で日本語を考える余地をなくしてくれることです。
このトレーニングで基本的な語彙力や文法力も同時に育成することができます。多読するための下地作りとして取り組んで頂けると結構です。
しかし、やはりリーディングのメインは多読においてください。
結局、「精読」は、英語で理解する疑似トレーニングにすぎません。また、リーディングで音読のスピードを超えていく必要もあります。
多読
「多読」のポイントは、「訳さない、立ち止まらない、辞書を引かない」です!
分からない単語があっても、文脈が分からなくなってもかまいませんので、どんどん読んでいきます。慣れてきたらどんどんスピードを上げましょう。分からなくても読んでいるうちに、頭の中で英語回路が出来てきます。
文脈を理解しようとしなくて、一文一文を、一フレーズ一フレーズを、一単語一単語をイメージするようにすれば、理解できるところはたくさんあります。
例えば例を出しましょう。以下の分はjohn irving著「the cider house rules」の一節です。
Impulsively, he went to the dispensary and inflated two prophylactics.
と上記のような一節があるのですが、分かるところが以下のような部分だけだったとします。
Impulsively, he went to the dispensary and inflated two prophylactics.
この場合、上記のように単語が分からないと、全体の意味がつかめないのですが、
とりあえず he went to が分かるのですから、「彼はdispensaryに行ったんだなとイメージ」し、さらに「2つのprophylacticsというものが出てくるとイメージ」して先に進んでいけばいいのです。
イメージと使ったのは、解説上、「彼はdispensaryに行ったんだな」と表記しましたが、実際は日本語を用いないでイメージだけで読んでいきます。
当然、このような読み方ですと文脈を見失ってしまうのですが、気にすることはありません。分かるところだけイメージしてどんどん先に進みます。
文脈が分からないのに読み進めるのは多少苦痛ではありますが、慣れてくると逆に気楽になります。なにせ、分からなくても辞書を引かなくていいし、文脈を見失ってもいいのです。
やることはただひたすら読み進めること。分からないと不安になりますが、しかしこのトレーニングを続けることで英語力が劇的に向上します。
無意識にある英語力を鍛えていると言い聞かせて頑張ってください。
補足 語彙力について
ただこう言われるかもしれません。辞書を引かなければ語彙力がいつまでたってもつかないではないかと。もちろんそうです。ただ私の見解は、語彙力は語彙力でつけてくださいということです。
リーディングと単語暗記の作業を切り離すということです。
語彙力養成は、単語集などを買ってきてやっていただくのがいいかと思います。この点、詳細な方法については、この章の後でふれますので、そちらを参考にしてください。
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